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ヘッジ取引の事例 Case Study

簡単な例を挙げてヘッジ取引の実際を見てみましょう。

ヘッジ取引例1:先物取引市場

■仕入れ値変動/売り値固定のケース

  1. ある石油製品販売業者は、灯油の仕入れは元売からトコムの納会値で仕入れました。
    一方で、販売は来月に40,000円/KLで決定されている。
    今の相場を考えれば利益1,000円/KLが見込める。
    ⇒この状況は、相場が上がれば自社に不利に働く=ヘッジ取引で買っておく

  2. トコムで灯油を39,000円/KLで買う=仕入れ値を一旦固定。
    これにより…
    40,000円/KL−39,000円/KL=1,000/KLを一旦確保!
    (納会で転売し差金決済を行う前提)

  3. トコムの納会値は41,000円/KLとなった。

収支

  • 商取引
    (売上)40,000円/KL−(仕入)41,000円/KL=▲1,000円/KL(損失)

  • ヘッジ取引
    (転売)41,000円/KL−(買値)39,000円/KL=+2,000円/KL(利益)

…商取引とヘッジ取引の差額は+1,000円/KLとなり、当初見込んだ利益が確保された。


ヘッジ取引例2:スワップ市場

スワップ取引とは、変動する将来の価格(変動価格)を、現在の時点で、固定価格と交換する取引を言います。
商品の受渡しを伴わずに、現金による差額決済となります。

この取引が有効に働くケースとして、次の2ケースを事例として挙げます。

ケース1)

仕入先から商品を指標となる価格の月間平均、週間平均等の変動価格で仕入れ、売先に、固定価格で販売する。

ケース2)

仕入先から商品を固定価格で仕入れ、売先に、指標となる価格の月間平均、週間平均等の変動価格で販売する。

■ケース1)

1月にある需要家に灯油を販売する予定。価格は12月現時点で決定。

仕入れはラックの月間平均で仕入れ。

⇒このケースでは、将来の販売価格は固定化されているが、仕入れ値が変動(未確定)であり、予定する利益が確保出来るか不透明な状況。
そこで、販売価格を決定した時点で、ラックスワップ取引を行うことで、利益の確保を行う。

1月に需要家に対して、40,000円/KLで販売することを決定。

この時に、ラックスワップが39,000円/KLであったことから、これを39,000円で購入。

※スワップの購入
スワップの購入とは、購入者にとって、固定価格を購入すると同時に変動価格を売る契約を締結することになる。
上記の例では、1月のラック価格を固定39,000円で購入/1月の月間平均価格を売却、という契約を締結することとなる。

仕入れ 販売
商取引 ラック月間平均価格 40,000円/KL
スワップ取引 39,000円/KL ラック月間平均価格
1月を終了してみると、1月のラック月間平均価格は42,000円/KLとなっていた。

商取引 (売上)40,000円/KL−(仕入)42,000円/KL=▲2,000円/KL
スワップ取引 42,000円/KL−(仕入)39,000円/KL=+3,000円/KL

両方の取引を合計すると、1,000円/KLの利益が確保出来た。


■ケース2)

冬場販売するために灯油をタンクに貯蔵してきた。

価格は40,000円/KLとなっている。
販売は、12月のラック月間平均。

⇒このケースでは、仕入価格は固定化されているが、販売価格が変動(未確定)であり、予定する利益が確保出来るか不透明な状況。

そこで、販売価格をラックスワップ取引で売却することで利益の確保を行う。

仕入れ 販売
商取引 40,000円/KL ラック月間平均価格
スワップ取引 ラック月間平均 41,000円
12月を終了してみると、12月のラック月間平均価格は39,000円/KLとなっていた。

商取引 (売上)39,000円/KL−(仕入)40,000円/KL=▲1,000円/KL
スワップ取引 (売上)41,000円/KL−(仕入)39,000円/KL=+2,000円/KL

両方の取引を合計すると、1,000円/KLの利益が確保出来た。


ここで示したヘッジ取引の例は、お客様のご理解をし易くするために、非常に単純化したものを掲載しております。

1つの市場だけを利用して単純にヘッジ取引を行うケースもありますが、実際には複数の市場を利用してヘッジ取引を行うケースもございます。

各社のご事情により、利用すべき市場、利用すべき取引方法は全く異なって参ります。商取引(現物取引)の市場とヘッジ市場には基本的な差異があり、これはリスク(ベーシス・リスク)として消去できません。

また、ヘッジのタイミングやヘッジする数量によってもリスクが増減する場合があります。
だからと言って、ヘッジ取引をせずに、そのままの状態で商取引を行うということは、リスクを放置したままの状態であると言え、あまり好ましい状態とは言えません。

ヘッジ取引は、自社の実情に合わせた形で行うことでリスクの軽減化を図る行為です。リスクを少しでも軽減したいとお考えの企業様は、ぜひ一度、お問い合わせ下さい。


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