金の主な需要と供給の価格への影響 − 金の主な需要と価格への影響 −
前編は、なぜ金の先物が注目されているのか?・世界の金市場・「金(GOLD)」の価格に影響する要因に関してご説明しました。
後編は金の消費と供給の動向と、歴史からひも解くドルと「金(GOLD)」の相場の歩みについて解説いたします。
金の消費動向と金相場 − 金の主な需要と価格への影響 −
中国の需要 −中国の金保有の自由化の流れは、金相場にどう影響するのか−
中国では歴史的に個人の「金(GOLD)」の保有を禁止していましたが、WTOへの加盟をきっかけに中国政府は自由化の流れにシフトしはじめました。
まず、2002年に上海へ「金」取引所が開設され「金」の現物取引が開始しました。
2008年には金先物取引も開始され、国内での規制緩和が進んでおります。
また、同時に「金(GOLD)」の需要も毎年15%以上の伸びを続け年々拡大をしています。
インドの需要 −インドの婚礼シーズンと金価格−
インドでは4月〜5月と10月〜11月の婚礼シーズンでは「金(GOLD)」の需要が花嫁の貢物になることから高まるのは有名な話です。
市場調査を行う国際機関によると今後、インドの年間需要は1000トンに達すると予想されます。
この数字は世界の「金(GOLD)」需要の25%を占める計算になります。
中東の需要 −オイルマネーの新しい投資先は、金相場を押し上げるか−
過去において中東の「金(GOLD)」の需要は宝飾品が中心でした。
しかし最近は原油価格の高騰もあり、オイルマネーの新しい投資対象として新たな資金の逃避先として「金(GOLD)」の需要が顕著です。
金ETFの増加 −金価格にとっての金ETFとは−
欧米の機関投資家は米国多発テロやリーマンショックを経験し、株式や債券、不動産投資信託以外に「金」の現物購入が目立ちましたが、金ETFが登場したことから機関投資家の長期資金が大量に金ETFへ流入してきております。
金の供給動向と金相場 − 金の主な供給と価格への影響 −
世界全体の年間供給量は1970年代前半は約1500トン、1985年に2000トン台に乗せた後も増加傾向が続き、1990年代には3000トンに増加、97年から2000年までは4000トンを記録しました。
ただし2001年以降は4000トン台を割り込む年も見られるようになりました。
中国 −需要だけでなく供給も増加する中国。金価格への影響は−
中国の金生産は1979年以降、平均で年間10%前後増加し、2005年には224トンと過去最高を記録しました。
2000年には1200件の金鉱山プロジエクトがあるとしており、対外投資増加も加味しますと今後も金生産の増加が継続すると予想されます。
南アフリカの供給 −減少傾向が続く南アフリカの供給と金相場−
南アフリカで金鉱山のある地域は縦300キロ、横150キロの膨大なエリアで、多数の鉱山がこの鉱帯を堀り進んでいます。
生産高は1970年の1000トンをピークに減少し、1996年には494.6トンと減少傾向が続いています。
このため、世界全体の鉱山生産に占める南アフリカのシエアは1970年の67%から2005年には11.8%まで低下しています。
南米と東南アジア −金の供給を伸ばす国と地域の金価格への影響は−
1990年代からはアルゼンチン、ペルーなどの南米諸国、インドネシアなどの東南アジア諸国の生産量が目立ちます。
特に南米ペルーの生産増加は著しく2005年の生産高が207.8トンとなり、過去7年で2倍以上に増加しました。
東南アジアではインドネシアの金生産が2001年にピークの182.9トンとなり、1990年の17.6トンから約10倍に増加しました。
金の歴史と金相場の歩み − 金の発見と交換レートの変遷、そして価格急変の背景 −
金は約8000年前に砂金もしくは露頭の自然金という形で発見されたといわれてます。
そして、金が精製、加工され始めたのは古代エジプト王朝時代(紀元前4000〜紀元前332年)とされています。
また、有名な「東方見聞録」(マルコポーロ)では日本が「黄金の国ジパング」としてヨーロッパ諸国に紹介されました。
近代では1944年に発足したIMF(国際通貨基金)体制のもと、米国では金本位制度を導入し、1トロイオンス=35ドルという価格でドルと金地金を交換できるようにしました。
そして、1973年には為替相場が固定相場制から変動相場制に移行したため、金の価格と各国通貨の関係も絶たれてしまい、それ以降、金の相場も為替相場もそれぞれ独立した市場で価格を形成するようになりました。
今日、海外マーケットの「金(GOLD)」レートがドル建て表示になっているのは、歴史的にも金とドルの結びつきが強かった強かった名残りと言っても過言ではないかと思います。
| 歴史から紐解くドルと「金(GOLD)」の歩み | |
|---|---|
| 1944年 | ブレトン・ウッズ協定 金1トロイオンス当たり35ドルという価格で交換が定められ、同時に各国通貨にドルに対する一定の交換レートが定められた。円とドルとの交換レートは1ドル=360円に。 |
| 1971年 | ニクソンショック ニクソンショックとは1971年アメリカ合衆国が、それまでの固定比率によるドルと金の交換を停止したことにより、国際金融の枠組みの大幅な変化が生じはじめた。 |
| 1973年 | 為替相場が変動相場制に移行 主要国の為替相場が、固定相場制から変動相場制に移行。 |
| 1978年 | 日本の金取引自由化 |
| 1980年 | 金の国際価格が最高値を記録 イラン革命による原油価格高騰の第二次オイルショック、旧ソ連アフガニスタン侵攻等の有事が相次ぎ「有事の金買い」の状況になり、約2年で金価格が4倍以上に高騰。 |
| 1985年 | プラザ合意 ニューヨークのプラザホテルにおいてG5(米国、日本、イギリス、フランス、旧西ドイツ)で、急騰していたドルについて為替レートをドル安に調整することで合意。 その後、約10年にわたり円高ドル安相場が進行。 |
| 1990年 | インドの金自由化がスタート インドの金の取引は自由化になったことにより、取引量が約4倍に拡大。 |
| 1999年 1月 |
ユーロ誕生 欧州統一通貨のユーロが誕生。巨大な経済圏のヨーロッパ全体をカバーする通貨が誕生したことにより、それまで基軸通貨として君臨していた米ドルの地位は相対的に低下し始めました。 |
| 1999年 9月 |
金に関するワシントン協定の発表 「金に関するワシントン協定の発表」がECB(欧州中央銀行)と欧州の各国中央銀行14行から発表さた。 |
| 2001年 9月 |
米国同時多発テロ 「有事の金」の本領が発揮されその後のイラク戦争などにも「金」価格が反応するようになった。 |
| 2002年 | 上海金取引所で金取引が開始 金取引が開始されてから中国国内で金取引の自由化が進みはじめた。 |
| 2003年 | オーストラリアで金ETF上場 世界で初めてオーストラリアに金ETFが上場され、その後欧米の主要証券取引所にも上場された。 |
| 2007年 | 日本で金ETF市場が創設 同年、大阪証券取引所に金ETFが上場され、国内で金ETFの販売が人気に。 |
| 2008年 1月 |
金の値段が史上最高値を更新 ニューヨーク金(GOLD)相場が史上最高値の1,033ドルを記録。 |
| 2010年 | 欧州の金融危機による金相場の高値更新 欧州の金融不安の拡大と再燃により、ニューヨーク金の価格は1,200ドルを突破。 |
| 2011年 | 金の値段が史上最高値の1,900ドルを記録 中東情勢、長引く欧州の金融不安、そして米国の債務残高上限引き上げに伴う米財政赤字懸念等により、ニューヨーク金(GOLD)相場が史上最高値の1,900ドルを記録。 |
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