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金・白金の価格推移と歴史的な価格の逆転現象


金・白金の価格推移と歴史的な価格の逆転現象について

9月下旬の急落を経て、10月に入り金・白金ともに強含みはじめている模様です。
同時に、金価格が白金価格を上回る歴史的な現象が顕著になっています。

一連の金・白金の価格推移の背景と今後の展望、そしてトレードに活かす場合の留意点などについてご説明します。

10月に入って金価格が強含んでいる理由と今後予想される展開

  1. 2日に発表となったFOMC議事録の「QE3の選択肢は温存されている」との内容
  2. 欧州の金融危機の長期化懸念
  3. 1600ドルの心理的な節目での下げ止まりによる下げ一服感
  4. 取組高の減少が止まり、資金流出が止まったことによる安心感
NY金(期近)の日足チャート

→12日に発表となったFOMC議事録の「QE3の選択肢は温存されている」との内容

QE3の可能性が残っていることがFCMC議事録の発表で明らかになり、金融緩和への期待がドル安、引いては金高の原動力となっている模様。

→欧州の金融危機の長期化懸念

今週はじめに欧州大手銀行「デクシア」が解体・国有化され、ベルギーなど欧州諸国の政府保証をつけたうえで不良債権の処理が行われることが報じられた。
関係者らが自発的再生にあたる「私的整理」であることで、同社の株の上場は維持・預金は保護されることとなり、リーマンブラザーズの「法的整理」と異なるため市場への安心感が広がったとされた。一方、こうしたギリシャなどの南欧諸国の国債を保有する欧州の金融機関は多数あるとされ、安心感は一時的との見方が広がっており、引き続き欧州の金融不安は解消したわけではないことが再確認される格好となった。

→1600ドルの心理的な節目での下げ止まりによる下げ一服感

9月下旬の急落で一時200ドル以上下落し1,600ドルを下回る場面が見られたが、終値ベースで見た場合1,600ドルを下回ったのは急落直後の9月26日の一日のみで、その後は1,600ドルを上回る堅調推移となり、1690ドル台まで値を回復してきている。

→取組高の減少が止まり、資金流出が止まったことによる安心感

急落直後に指摘されたマーケットからの資金流出について、取組高(未決済の残玉)の推移を見てみると、9月下旬には減少幅が縮小し10月に入ると横ばいとなっている。取組高の増減はマーケットに入っている資金の増減を意味することから、10月に入ってからの取組高の下げ止まりは資金流出が止まったことを意味するものと考えられる。

上記の通り、金においては強材料が複数見られ、今後も価格は強含むものと予想される。

ただ、リーマンショックや先月の急落のように、世界で同時多発的に株・通貨・コモディティなどの多岐にわたるリスク資産からの資金逃避が発生すれば、金といえども価格下落に見舞われる可能性もあるため注意が必要である。

白金価格が金価格を上回る歴史的な現象

今年8月、1993年以来18年ぶりに金価格が白金価格を上回る逆転現象が発生して以降、先月後半の急落がきっかけとなりこの逆転現象は著しいものとなった。

以下の図2は、1985年1月以降の金・白金(ともにスポット)の価格と価格差の推移。価格差(紺色)は金−(マイナス)白金で計算しているため、0(ゼロ)よりも下であれば金価格よりも白金価格の方が高い、逆にゼロよりも上であれば金価格が白金価格よりも高いことを表す。

1985年1月以降の金・白金(ともにスポット)の価格と価格差の推移

 

白金は工業用需要の割合は大きいものの、金同様に宝飾品としても用いられる。価格の連動性が生まれやすいのは金との共通の需要を持つためである。

また、白金の年間生産量は約200トンといわれ、金の年間生産量の約12分の1とされるため、希少性という面からみれば白金に分があることから、白金価格は金価格よりも高い状態が常とされる。

2003年以降、白金価格の上昇が著しくなったのは金価格との連動もさることながら、新興国の台頭により自動車部品需要が増加したためである。(白金は自動車のマフラー部分に取り付けられる触媒と呼ばれる自動車から排出される排気ガスを浄化するための装置に用いられる)

特に2008年の高値までは株価や原油価格とともに大きく上昇する展開となった。原油価格が147ドルをつけた2008年7月、時を同じくして白金価格も2,000ドルを越える歴史的高値での推移となった。

しかし、リーマンショック後は、世界的な景気後退となったため、新興国プレミアムが剥げ落ちて白金価格は下落。一時は白金価格が1,200ドル程度金価格より高い状態だったが、白金価格の大幅下落にともない金価格に接近、2009年以降は1990年台後半から2000年台前半と同様に、200ドル程度金価格が高い状態となっていた。

先月下旬の下落と逆転現象

先述のとおり、白金は需要の半分以上が工業用であるため、景気に敏感なコモディティ銘柄の代表ともいえる。時としてNYダウなどの株価と連動する場面も見受けられる。

ゆえに、先月の急落の際、白金市場からの資金流出に加えて、株価の下落による景気減速懸念も白金価格を下落させる一因になったと考えられる。

金・白金日足終値(上)と価格差(下)

 

ほぼ同じ期間に金価格も下落はしたものの、金融不安時の資金の逃避先としての見方もあり、下落の幅は白金に比べて軽微だった。

9月21日から同日以降の直近安値までの下落率はNY金で15.1%、同白金で19.7%となっている。

結果として、白金が金よりも大きく下落したため、金価格−(マイナス)白金価格の値は、筆者がデータを取得できた1985年1月以降最大のものとなった。(図2参照)

逆転現象の今後

基本的には、共通の需要を持っているが年間生産量は白金の方が少ない、という点より白金価格はいずれ金価格を上回る展開になると予想される。

言い換えれば、先月下旬より顕著になっている白金価格が金価格より安いという逆転現象は、いずれ修正されるのではないか、ということである。

10月12日現在、NY市場では白金は金より130ドル程度安く、東京では同300円程度安い状態にある。

急落前の9月20日時点では、NY・東京市場ともに白金・金の価格はほぼ同値(価格差無し)だったことからすると、急落後NY市場では日足ベースで最大166.3ドル、東京市場では同435円、白金価格が安くなった価格差は、徐々に修正されてきている最中と考えることもできるのではないだろうか。(図3参照)

上記より考えられるトレードとその留意点

当然のことながら、下記の3つのパターンいずれも思惑と実際の値動きが逆行した際は、リスクが発生する。
リスク管理を怠ることができないことは言うまでもない。

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「コモディティマイスター”X”の予見」より「プラチナ価格と金価格の逆転」

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