FX戦争で安定勝ちするために知っておきたい「円と原油」の関係(1/4ページ) 橘 尚人
※『MONEYzine[マネージン]』より許可を得て転載
産業を支える資源「原油」は通貨も大きく動かす。しかし、その陰には、怪しい投機マネーの暗躍も垣間見える。為替相場では、定説や固定観念に囚われないことも大切だ。
原油高なら輸入国の通貨は売り、輸出国の通貨は買い
前回は、為替といろいろな経済指標についての関連性について述べたが、今回は原油価格との関係について解説していきたい。
実は、原油は投機性が高い商品だ。したがって、その動きを予想するというのは至難の業であるが、基本的なことを知らなければ大きなリスクとなる。
基本的に原油価格が為替相場にどんな影響を与えるかというと、簡単にいえば、輸入国の通貨にとっては、原油高が売り材料となり、輸出国の通貨には、原油高が買い材料となるということだ。
例えば日本の場合には、原油の輸入額が世界第2位で、自給率が0.2%の典型的な輸入国であるが、原油価格が上昇すれば、当然海外に支払う代金も増えることになる。すると、その分大量の日本円を売却して、代金を作らなければならず、その影響で、市場での円安が進むことになるのだ。このときが、投資家にとって円売りのチャンスなのだ。
また、原油産出量が世界第3位でありながら、輸入量が世界第1位の米国の場合も、日本と同様に、原油高が自国の通貨安につながる。ただし、原油の自給率も37%あるので、日本円のような顕著な動きにはならない。
ユーロ圏では、ドイツやフランス、イタリアの3ヵ国の原油産出量がほぼゼロで、輸入量がそれぞれ世界第4位、第5位、第6位という具合なので、この3国も日本と同様に原油高が通貨安につながることになる。
ただしユーロ圏で、ドイツに次ぐ第2の大国、フランスは総発電力量の8割近くを原子力発電で賄っており、その中でも2割近くをドイツやイタリア、スイスに輸出している。ということは、原油価格の相場には、自国通貨のフランは、ほとんど影響されないということだ。
先進国の中で唯一原油高が買い材料になるカナダ
一方で、原油輸出国にとっては、自国の通貨高の材料になり、投資家にとっては、輸入国通貨の買い材料になるが、実際には、中東やロシアなど輸出量が大きい産油国の通貨は、日本からの投資対象としては、身近ではなく向いていない。
先進国の中でも、唯一原油高が買い材料になり、その通貨に対して日本でも投資できる国がカナダである。カナダは、産出量世界第10位で、埋蔵量も世界第2位、自給率もなんと120%という超輸出大国で、カナダドルは先進国に流通しており、投資対象にはピッタリの国なのだ。
その他の国では、投資対象になる外貨と原油の関係はどうだろうか。
スイスは総発電量の6割が水力で、4割が原子力なので、スイスフランは原油の動きに左右されることがほとんどない。
また、オーストラリアも原油産出量こそ世界の20位以下だが、自給率は97%なので、オーストラリアドルも原油価格に影響されることはほとんどない。
怪しい投機マネーにも左右される原油価格
原油価格は、その国の産出量との関連性が解説されることが多いが、他にもいろいろな原因で影響されることがある。(次ページへ続く)





円と原油の関係
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